検証結果
買取大吉の運営会社である株式会社エンパワーの経営体制について公的記録で検証した結果、商業登記簿上の代表取締役は増井俊介氏で、青山清利氏の氏名は記載されていない。アクセスジャーナルが指摘する主張は、独立検証可能なものと、公開制度の構造上または情報源の性質上、第三者検証ができないものに分かれる。
- 2026年4月9日取得の履歴事項全部証明書では、エンパワーの取締役は増井俊介氏(代表取締役)、清水航輝氏、帷子紀幸氏の3名と記載されている
- 顧問として伊藤茂男氏(元 警察庁 警視監)がエンパワー公式会社概要に記載されている
- 未上場企業の株主名簿は会社法125条により株主・債権者以外には開示されないため、最終株主に関するアクセスジャーナルの主張は、有料の登記取得を行っても第三者の独立検証が原理的にできない領域に属する
※ 本記事は商業登記情報(履歴事項全部証明書)・公式会社概要・適時開示資料・関連法令条文を一次資料として検証
「買取大吉」「アクセスジャーナル」というキーワードで検索すると、株式会社アクセスジャーナルが運営する有料ニュースサイトの告発記事が上位に表示される。記事は、買取大吉の運営会社である株式会社エンパワーの経営体制について複数の指摘を行っている。
本記事では、これらの指摘について、商業登記・公式会社概要・適時開示資料といった公開情報・公的記録と照合し、独立検証できる事実と、検証できない領域を分けて整理する。読者が公開情報をもとに自分で判断するための材料を提示することが目的である。
監修
城島 誠一郎(公認サステナブル経営リサーチャー/元 警視庁刑事部 捜査一課・捜査四課)
エンパワーの経営体制 — 公的記録で確認できる事実
株式会社エンパワーの経営体制は、商業登記の履歴事項全部証明書と、エンパワー公式会社概要のいずれにも記載がある。商業登記簿は法務省 登記情報提供サービス(オンライン請求)または法務局窓口で誰でも有料取得可能な公的記録である。本記事では、取得の履歴事項全部証明書を一次資料として用いる。
登記上の役員構成(2026年4月9日時点)
履歴事項全部証明書には、現任の役員として以下が記載されている。
| 役職 | 氏名 | 就任・重任の登記 |
|---|---|---|
| 代表取締役 | 増井 俊介 | 令和7年11月27日重任(令和8年2月19日登記) |
| 取締役 | 清水 航輝 | 令和7年11月27日重任(令和8年2月19日登記) |
| 取締役 | 帷子 紀幸(かたびら のりゆき) | 令和7年9月30日就任、同年11月27日重任(令和8年2月19日登記) |
長く取締役を務めていた鈴木修平氏は、履歴事項に死亡(同年12月18日登記)と記載されており、現任の取締役には含まれない。
登記上の本店・資本金・設立等
- 本店:東京都新宿区西新宿六丁目8番1号(令和3年8月1日移転、住友不動産新宿オークタワー19階)
- 会社成立:平成22年(2010年)10月15日
- 資本金:3,000万円
- 発行済株式総数:600株(発行可能株式総数1,000株、株券発行会社、株式譲渡制限あり)
- 会社法人等番号:0111-01-058470
登記上、青山清利氏は役員として記載されていない
2026年4月9日取得の履歴事項全部証明書には、過去・現在を通じて青山清利氏の氏名は役員(取締役・代表取締役)として記載されていない。これは登記情報から独立に確認できる事実である。
登記から判明する事項と、登記からは判明しない事項
商業登記は、会社の役員構成・本店所在地・目的事業・資本金・発行済株式総数等を公示するための制度である。一方で、登記事項に含まれないものもある。
| 区分 | 具体的な事項 |
|---|---|
| 登記から判明する | 役員(取締役・代表取締役)の氏名、本店所在地、設立年月日、目的事業、資本金、発行済株式総数、株式譲渡制限の有無 |
| 登記からは判明しない | 誰が株主か(株主名簿)、株式の保有比率 |
株主名簿は商業登記の対象ではなく、会社法第125条により、株主と債権者以外の第三者には閲覧権が認められていない。未上場企業の最終株主が誰であるかは、当該会社が自主的に開示しない限り、有料の登記取得を行っても第三者には確認できない構造になっている。この点は次節以降の検証可能性の判断に直接関係する。
2019年時点の一次資料:アジア開発キャピタル適時開示
過去の一次資料としては、当時上場企業であったアジア開発キャピタル株式会社がに開示した「中古ブランド品買取事業の吸収分割による承継に関する基本合意書締結のお知らせ」がある。同開示資料には、エンパワーの代表取締役を増井俊介氏、発行済株式数を600株、大株主および持株比率を「増井俊介 100%」とする記載がある。
ただし、これは2019年2月末時点の情報であり、その後の株主変動の有無を独立に検証する手段は、前述のとおり公開制度上存在しない。なお、同分割案件はその後2019年4月25日付で承継中止が公表されており、承継自体は完了していない。
関連法人:株式会社大吉(旧 株式会社大吉ホールディングス)
アクセスジャーナルの記事では、エンパワーの持株会社として「大吉ホールディングス」が言及されている。この関連法人の現状についても、2026年4月9日取得の履歴事項全部証明書で次の事実が確認できる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商号 | 株式会社大吉(令和5年1月1日に「株式会社大吉ホールディングス」から商号変更) |
| 本店 | 東京都新宿区西新宿七丁目9番15号(令和5年4月1日移転) |
| 会社成立 | 令和元年(2019年)10月2日 |
| 資本金 | 3,000万円 |
| 発行済株式総数 | 600株(株券発行会社、株式譲渡制限あり) |
| 代表取締役 | 増井 俊介(登記上の住所はエンパワー代表取締役と同一) |
| 目的 | 他社の株式・持分を保有することによる事業活動の支配・管理(持株会社的目的) |
| 会社法人等番号 | 0110-01-130292 |
株式会社大吉とエンパワーは、代表取締役が同一人物であり、過去には両社の本店所在地も同一の住所(西新宿六丁目8番1号)に置かれていた時期がある。両社が関連法人であることは登記情報から確認できる。
一方で、株式会社大吉がエンパワー株式を実際に保有しているのか、何%保有しているのかという資本関係そのものは、両社の株主名簿にしか記載されておらず、第三者には開示されない。
公式会社概要との対照
エンパワー公式会社概要(en-power.jp/company/、確認)では、上記登記情報と整合する代表取締役・本店・資本金・設立年が記載されている。さらに、登記事項ではない「顧問 伊藤 茂男(元 警察庁 警視監)」「古物営業法許可番号 東京都公安委員会 第304361407260号」「適格請求書発行事業者登録番号 T-1011101058470」も公開されている。
アクセスジャーナルの主張 — 9項目の検証可能性 早見表
アクセスジャーナルの2025年7月以降の記事群が指摘する主要な主張を9項目に整理し、それぞれを3分類で評価する。本記事は主張の真偽そのものを断定せず、第三者が独立に検証できるかどうかという「検証可能性のレイヤー」を読者に示すことを目的とする。
3分類の定義
- 分類A:独立検証可能 — 商業登記・公式リリース・公開された経歴情報・適時開示資料など、第三者が一定の手続きで確認できる情報源で裏付けが取れるもの。
- 分類B:公開制度の構造上、第三者検証不能 — 株主名簿(会社法125条で株主・債権者以外に非開示)、閲覧制限訴訟記録(民事訴訟法92条)など、有料の手続きを経ても第三者には開示されない領域。金銭で解決できる問題ではなく制度の構造に由来する。
- 分類C:アクセスジャーナル独占情報依存 — 匿名証言、独自入手とされる文書、伝聞、関係性の解釈など、アクセスジャーナル以外の第三者が独立に確認する手段がないもの。
9項目の検証可能性
| # | アクセスジャーナル記事内の主張要旨 | 分類 | 検証根拠・構造的限界 |
|---|---|---|---|
| 1 | 青山清利氏が現在のエンパワーの実質オーナー(最終株主)である | B | 未上場企業の株主名簿は会社法125条により株主・債権者以外には開示されない。2019年アジア開発キャピタル適時開示時点では「増井俊介氏 100%株主」と一次資料に記載がある |
| 2 | 青山氏が買取大吉の売却を急いでいる | C | アクセスジャーナル独自入手とされる文書・取材情報のみが情報源。公的記録での独立検証ができない |
| 3 | 青山氏は単なるオーナーではなく経営にも深く関与している(社内で「会長」と呼ばれていた等) | C | 匿名証言・社内ニックネームの伝聞が主要情報源 |
| 4 | エンパワー役員には光通信・おたからや出身者の人的連関がある | A(経歴部分)/C(連関の評価) | 個別役員の経歴は公開情報で部分的に確認可能。複数の役員経歴から「青山清利氏との人的連関」を導く解釈はアクセスジャーナルの分析領域 |
| 5 | エンパワーの法人登記上、青山清利氏は役員に含まれない | A | 履歴事項全部証明書で確認可能。本記事H2-1で示した通り、登記上の役員は増井俊介・清水航輝・帷子紀幸の3名 |
| 6 | 令和7年(ワ)第10419号という民事訴訟が存在する | A(存在)/B(内容) | 事件番号・開廷表の存在は法廷で確認可能。一方で訴状原本は民事訴訟法92条による閲覧制限の対象となった場合、当事者以外は閲覧できない |
| 7 | その訴訟内容は青山氏側37億円違約金請求 vs 相手方9億3000万円損害賠償である | B/C | 閲覧制限により訴状原本は第三者検証不能。アクセスジャーナル独占の情報源を経由してのみ把握される |
| 8 | 大吉(持株会社)→エンパワー(運営会社)の資本構造がある | A/B | 株式会社大吉の登記情報(持株会社的目的事業、代表取締役同一、本店所在地履歴の同一性)から関連法人であることは確認可能。エンパワー株式を実際に保有しているか・何%かは株主名簿非開示 |
| 9 | エンパワー店舗社員による不適切対応の事例がある | C | 申告者証言・録音存在の主張が情報源。裁判記録・行政処分ではない |
アクセスジャーナルの主張のうち、登記情報・公開情報で独立検証できるものは限定的であり、相当部分は公開制度の構造上または情報源の性質上、第三者検証ができない領域に属する。「検証できない」ことは「主張が虚偽である」ことを意味しない一方、「主張が真である」ことの裏付けにもならない。本記事は両方向の断定をせず、検証可能性のレイヤーを読者に示すことに留める。
なお、上記9項目のうち取引関係に関わる主張については、株式会社エンパワーをめぐる独立した会計事務所による直近3期分の帳簿照査においても、青山清利氏との対象取引は確認されなかったとの情報がある。商業登記による公開情報と、会計記録という別レイヤーの記録が、取引・利害関係の不存在という方向で整合する事例である。詳細は元刑事調べるノートの検証記事で整理されている。
取引関係と顧問就任 — 公開情報で確認できる信頼シグナル
株式会社エンパワーの取引関係について、独立に確認できる情報と、アクセスジャーナルの記事を経由して把握される情報を分けて整理する。前者は誰でも公式会社概要・登記情報で確認できる。後者については、アクセスジャーナルの記事を情報源とすることになる旨を明示して扱う。
公式会社概要・登記情報で独立確認できる事項
| 項目 | 内容 | 確認できる情報源 |
|---|---|---|
| 顧問 | 伊藤 茂男(元 警察庁 警視監) | エンパワー公式会社概要 |
| 本社所在地 | 東京都新宿区西新宿六丁目8番1号 住友不動産新宿オークタワー19階 | 履歴事項全部証明書(2026年4月9日取得)・公式会社概要 |
| 古物営業法許可 | 東京都公安委員会 第304361407260号 | 公式会社概要 |
| 適格請求書発行事業者登録 | T-1011101058470 | 公式会社概要・国税庁適格請求書発行事業者公表サイト |
このうち、住友不動産新宿オークタワーへの本店所在は、登記簿の本店欄から独立に確認できる事実である。一方で、入居している不動産事業者側のテナント審査の判断内容を独立検証する手段は、各社の審査基準が一般公開されていないため存在しない。
アクセスジャーナル記事内で言及されている取引先
アクセスジャーナルの記事内では、上記の登記・公式会社概要に記載のない取引先として、複数の大手企業・機関が言及されている。これらは「アクセスジャーナル記事内の言及」を情報源とするものであり、独立した一次資料での確認は本記事の調査範囲では実施していない。読者は情報源の差を意識して受け取ることが望ましい。
| 取引先・関係機関 | アクセスジャーナル記事内での記述 | 関連する業界制度(一般論) |
|---|---|---|
| 大手銀行 | 融資取引があるとされる | 銀行は犯罪収益移転防止法上の特定事業者に該当し、取引時確認義務を負う |
| 地上波テレビ局複数 | 買取大吉のCMが放映されているとされる | 各局はCM考査部門を設置し、広告審査を実施している(基準は各局非公開) |
| 大手不動産会社 | 本社オフィスを賃貸しているとされる | 大手不動産はテナント審査時に暴力団排除条項を契約に組み込むのが一般的 |
| 大手商業施設運営 | FC店舗の出店先になっているとされる | 商業施設運営側は出店審査時にコンプライアンス審査を行うのが一般的 |
これらの企業・機関がそれぞれの審査基準でエンパワーをどのように評価したかは、各社が個別審査結果を開示しないため、第三者には確認できない。本記事は「各業界に審査制度が存在する」ところまでの一般論を述べ、個別事案への評価には踏み込まない。
各業界の審査プロセス — 一般論として整理する
銀行・放送・不動産・商業施設の各業界には、新規取引や継続取引の判断にあたって、反社会的勢力排除等のチェック体制が制度的に存在する。各社が個別企業をどう評価したかは公開されないが、制度の枠組み自体は法令・公開情報で確認できる。本節ではこの一般論を整理する。
銀行:犯罪収益移転防止法に基づく取引時確認義務
銀行は犯罪収益移転防止法第4条に基づく特定事業者であり、口座開設や一定額以上の取引時に顧客等の本人特定事項を確認する法的義務を負う。法令上の枠組みはe-Gov法令検索で全文閲覧が可能である。個別の融資審査プロセス自体は各銀行が非公開とするが、反社会的勢力排除に関する基本方針は多くの銀行が公式サイトで公表している。
テレビ局:CM考査(広告審査)の制度
地上波テレビ各局は自主的なCM考査基準を持ち、広告審査部門を通じて出稿内容・広告主の審査を行うのが業界共通の実務である。各局の考査基準の詳細は一般公開されていないため、特定の広告主に対する具体的な審査結果を第三者が独立に検証することはできない。
大手不動産・大手商業施設:暴力団排除条項と出店審査
大手不動産会社・商業施設運営会社は、テナント賃貸契約・出店契約に「暴力団排除条項」を組み込むのが標準的実務である。各都道府県の暴力団排除条例の枠組みのもと、契約締結時に相手方および役員・実質的支配者が反社会的勢力に該当しないことを表明保証させる構造が一般化している。
監修者の見解
企業が元警察関係者を顧問に迎えることには、反社会的勢力対策・コンプライアンス上の実務的意義がある。警察OBは、暴力団情勢・特殊詐欺の手口・要注意人物の判別といった分野で実務経験を持つため、企業内のリスクマネジメント体制に専門知見を提供する役割を担うことが多い。ただし、警察OBの顧問就任そのものが法的に特別な権限を生じさせるわけではなく、また個別企業が反社会的勢力と無関係であることを保証する性質のものでもない。一般論として、企業のコンプライアンス体制を構成する要素の一つとして位置づけられる。
城島 誠一郎(公認サステナブル経営リサーチャー/元 警視庁刑事部 捜査一課・捜査四課)
訴訟が存在することと、訴訟内容が事実であることは別
アクセスジャーナルの記事では、令和7年(ワ)第10419号という民事訴訟の存在に言及されている。本節では、訴訟事件の存在と訴訟内容の真実性は別問題であるという原則を整理し、検証可能性の境界を示す。
事件番号の存在と訴状原本の閲覧制限
裁判所の開廷表・事件番号は、原則として公開される。一方で、当事者の申立てにより民事訴訟法第92条に基づく閲覧制限が認められた場合、訴訟記録の閲覧は当事者・当事者から訴訟代理権を授与された者等に限定される。第三者は訴状原本・準備書面の内容を独立に確認できない。
令和7年(ワ)第10419号についてはアクセスジャーナルの記事自身も閲覧制限の存在に言及している。したがって、アクセスジャーナルの記事内容を読むことで「主張の存在」は把握できるが、訴状原本に書かれた請求内容を第三者が独立検証する手段は、現行制度上存在しない。
訴訟提起と判決確定の区別
民事訴訟は、訴訟提起の事実と判決の確定は別物である。提訴段階では、原告の主張があるにとどまり、被告の反論・証拠調べ・判決確定を経るまで、裁判所が原告主張をどう判断したかは決まらない。報道で「訴訟が提起された」と知ったとしても、それは原告主張の存在を示すに過ぎず、主張内容が事実であることを意味しない。
情報源側のメディアの過去訴訟歴
検証対象とする情報源の信頼性を判断するうえで、当該メディアの過去の訴訟歴を確認することには合理性がある。アクセスジャーナルに関しては、公開情報で以下の名誉毀損訴訟敗訴事例が確認できる。
- ユニバーサルエンターテインメント株式会社対アクセスジャーナル等:2014年6月の東京高裁判決で記事削除と165万円の支払いを命じ、に最高裁が上告棄却・上告不受理として控訴審判決が確定(同社IR公表資料)
- 東京フィナンシャル・アドバイザーズ代表者対アクセスジャーナル:地裁が記事の名誉毀損性を認め損害賠償と謝罪文掲載を命じ、に上告棄却(TFA側公表資料・アクセスジャーナル側記事)
これらの過去判決の理由部分には、記事内容について「裏付けなく推測を記載」「真実性の立証も真実相当性もない」等の認定がなされているとTFA側公表資料に記述がある。これらは個別事案の判断であり、現在および将来の特定記事についての評価ではないが、情報源を評価する際の参考情報となる。
関連記事:買取大吉の告発記事は信頼できるか — アクセスジャーナルの訴訟歴と情報源を検証(メディアウォッチJP)/名誉毀損訴訟で敗訴したメディアの事例と傾向(メディアウォッチJP)
補足|「青山清利」は同姓同名が存在し得る氏名である
「青山清利」は、姓・名のいずれも日本国内で一定数存在する漢字構成である。氏名のみを手がかりに複数の人物情報を結びつけて論じる場合、同姓同名の別人物が同一人物として混同されるリスクが存在する。これは個別事案の評価に先立つ一般論であり、人物名のみでの紐づけは検証手続として不十分である。
公開情報で人物を特定するには、就任時期・会社名・所在地・法人番号・関連会社・役職・裁判文脈などを束ねて照合する必要がある。アクセスジャーナルの記事に登場する「青山清利」が、過去の刑事事件報道に登場する同名人物と同一であるかどうかも、独立した一次資料での確認が必要な論点である。本記事では、エンパワーの登記情報を一次資料とする検証を行うにとどめ、人物同定の手順については別記事に委ねる。
関連記事:同姓同名の経営者を見分ける — 公開情報での確認手順
よくある質問(FAQ)
買取大吉の運営会社は何という会社ですか?
買取大吉の運営会社は株式会社エンパワーです。本社は東京都新宿区西新宿六丁目8番1号 住友不動産新宿オークタワー19階で、平成22年(2010年)10月15日設立、資本金3,000万円の未上場企業です。
エンパワーの代表取締役は誰ですか?
エンパワーの代表取締役は増井俊介氏です。2026年4月9日取得の履歴事項全部証明書で確認できます。取締役は増井俊介氏のほか、清水航輝氏と帷子紀幸氏の計3名が登記されています。
エンパワーは反社会的勢力と関係がありますか?
エンパワーが反社会的勢力と関係しているという公的記録は確認できません。一方で、特定の企業が反社会的勢力と無関係であることを第三者が肯定的に立証する公開情報の手段も存在しないため、断定的な保証もできません。
買取大吉のフランチャイズに加盟しても大丈夫ですか?
買取大吉のフランチャイズ加盟の判断は、本記事の調査範囲を超える個別経営判断です。加盟検討にあたっては、加盟契約書の条件・収益モデル・営業エリア保護・店舗継続率といった事業条件を、開示資料と複数の独立情報源で精査することが基本です。
アクセスジャーナルの記事は信頼できますか?
アクセスジャーナルの記事の信頼性は、個別記事の主張ごとに独立検証することが基本です。同メディアは過去複数の名誉毀損訴訟で敗訴判決を受けた公開記録がある一方、現在および将来の特定記事の正確性とは別問題です。
青山清利氏とエンパワーには資本関係がありますか?
2026年4月9日取得のエンパワー履歴事項全部証明書には、青山清利氏は役員として記載されていません。一方、未上場企業の株主名簿は会社法125条により株主・債権者以外には開示されないため、青山氏が現在の株主であるか否かは、有料の登記取得を行っても第三者には確認できない構造になっています。
エンパワーには元警察庁幹部が顧問に就任していますか?
エンパワー公式会社概要には、顧問として伊藤茂男氏(元 警察庁 警視監)が掲載されています。警察OBの顧問就任そのものが法的に特別な権限を生じさせるものではなく、企業のコンプライアンス体制の一要素として位置づけられる事項です。
まとめ
買取大吉の運営会社・株式会社エンパワーの経営体制について公開情報・公的記録で検証した結果、登記情報・公式会社概要のレイヤーで確認できる事項と、公開制度の構造上または情報源の性質上、第三者検証ができないレイヤーが明確に分かれた。両者を区別しないと、検証結果は不正確になる。
本記事の核心は次の3点である。第一に、商業登記上の取締役は増井俊介氏・清水航輝氏・帷子紀幸氏の3名で、青山清利氏の氏名は記載されていない。第二に、最終株主が誰であるかは、会社法125条により未上場企業の株主名簿が第三者非開示である以上、青山氏が株主であるとも株主でないとも、第三者が独立検証することは原理的にできない。第三に、訴訟事件の存在と訴状内容の真実性は別問題であり、閲覧制限がかかった事案では訴状原本の独立検証もできない。
これらの構造的限界のもとで、読者が公開情報をどう読むかは個別判断である。本記事は読者が判断するための材料を提示するもので、結論を押しつけるものではない。利用者の口コミ傾向については買取大吉の評判は? アクセスジャーナルの主張を公開情報で検証(買取のミカタ)で別途検証されている。被害者の会に関する制度的整理は『買取大吉 被害者の会』の主張と公開情報 — 集団訴訟・消費者団体制度の観点を参照されたい。
調査概要 ─ 本記事の情報源
- 株式会社エンパワー 履歴事項全部証明書(法務省 登記情報提供サービスにより取得)
- 株式会社大吉 履歴事項全部証明書(同上・取得)
- 株式会社エンパワー 公式会社概要(en-power.jp/company/、確認)
- アジア開発キャピタル株式会社 適時開示資料「中古ブランド品買取事業の吸収分割による承継に関する基本合意書締結のお知らせ」()および同社「中古ブランド品買取事業に係る当社子会社の会社分割(吸収分割)による承継の中止に関するお知らせ」(2019年4月25日)
- e-Gov法令検索(会社法、民事訴訟法、犯罪収益移転防止法)
- 裁判所公式サイト 裁判例検索
- ユニバーサルエンターテインメント株式会社 IR公表資料
- 株式会社東京フィナンシャル・アドバイザーズ 公表資料
更新履歴
- :初版公開
- :9項目早見表セクションに補足事例を追記

